✅30秒でわかる要点(先にここだけ)

  • 親の「まだ早い」は“拒否”というより不安・プライド・遠慮のサインなことが多い
  • 介護保険の申請は、今すぐサービスを使う決定ではなく「使える選択肢を確保する手続き」
  • 認定調査は“テスト”ではなく、暮らしの困りごとを確認する聞き取り(申請後に実施)
  • 40〜64歳は誰でも対象ではなく、特定疾病が原因の場合に限り対象
  • 家族だけで抱えず、まずは地域包括支援センターに相談するとスムーズ

はじめに:親の「まだ早い」は、あなたへのSOSかもしれません

親の身体や生活に変化が見えてきて、「そろそろ介護保険の申請を…」と思っても、本人から
「自分はまだ大丈夫」「人に迷惑はかけたくない」
と拒否されるのは珍しくありません。

でも、その言葉の裏には、不安・プライド・遠慮が混ざっていることが多いです。
この記事では、制度の範囲で誤解が出ないようにしつつ、初心者でも実践しやすい“声かけ”のコツと、申請を進めるための基礎知識をまとめます。


なぜ親は「まだ早い」と拒否するのか?(よくある3つの本音)

1)プライドと自己肯定感を守りたい

「介護=弱い人」というイメージが先に立ち、認定=自立を失う…と感じてしまうことがあります。

2)「申請=施設に入れられる」という誤解がある

介護保険は自立支援が目的で、在宅での生活を続けるためのサービスも多いのに、
「申請したら生活を管理されるのでは」
と不安になるケースは多いです。

3)家族に迷惑をかけたくない

手続きや費用の心配から、遠慮や罪悪感でブレーキがかかります。


介護保険の「よくある誤解」をほどく(制度として正しい言い方)

誤解されがちなイメージ実際はこう
介護=寝たきり・施設入所目的は自立支援。在宅サービスも多い
申請=すぐにサービス開始申請→認定→(必要なら)ケアプラン、で進む。利用は本人の選択
認定調査=身体能力テスト日常生活の困りごとを確認する聞き取りが中心
申請したらケアマネがすぐ介入要介護認定後に居宅介護支援事業者と契約して本格的に開始(要支援は地域包括が担当)

※「介護保険は“予防が中心”」と言い切るのはNG寄り。
介護保険には、要介護向けの介護給付と、要支援等の介護予防・生活支援(総合事業等)があります。「予防にもつながる制度」と言うのが安全です。


拒否を乗り越える!スムーズな「声かけ」3ステップ

ステップ1:まず共感→目的を「安心・備え」に置き換える

否定から入ると、親はもっと固くなります。最初はこう。

避けたい言い方

  • 「もう限界だから申請して!」
  • 「介護サービス使わないと危ないよ」

おすすめの言い方

  • 「そう感じるのは自然だよ。**今の生活を長く続けるための“備え”**として、一回だけ状況を確認しよう」
  • 「“今すぐ使う”じゃなくて、困ったときに使える権利を持っておくって感じ」

👉 相談先の順番があいまいなら、先にこちらを読んでおくと会話が組み立てやすいです:
介護の相談はどこから始める?地域包括・市役所・ケアマネの違いと迷わない順番


ステップ2:「介護」ではなく「暮らしの状況確認」として提案する(※健康診断は言い過ぎ注意)

認定調査は“健康診断”ではありませんが、声かけとしては「テストじゃない」ことを強調すると通りやすいです。

おすすめフレーズ例

  • 「申請すると、市の調査員さんが来て、普段の暮らしで困ってることを聞き取りしてくれるんだって。テストじゃなくて“状況確認”だよ」
  • 「結果を見てから、使うかどうかは一緒に決めよう。今すぐ何かを始める話じゃないよ」

👉 調査で伝え漏れが出やすいので、家族は“困りごとメモ”を準備しておくと強いです:
要介護認定の結果が出るまで家族がやること(待っている間の準備)


ステップ3:第三者(専門家)の力を借りる(いちばん効く)

家族同士だと感情が絡みがち。中立の専門職に入ってもらうと、親がスッと受け入れることがあります。

  • 地域包括支援センターに、まず家族だけで相談
  • 親への声かけの順番、申請の進め方、使えるサービスの方向性を一緒に整理

👉 電話前にメモしておくと一発で話が進みます:
地域包括支援センターに電話する前の準備:何を聞かれる?何を伝える?


申請をスムーズに進めるための基礎知識(ここだけ制度として超重要)

介護保険申請〜利用までの基本の流れ

  1. 申請(市区町村の介護保険担当窓口)
  2. 認定調査(申請後、市の調査員が訪問して聞き取り)
  3. 主治医意見書(市区町村が主治医に依頼)
  4. 審査判定(介護認定審査会)
  5. 認定通知(原則30日以内が目安)
  6. ケアプラン(要支援:地域包括/要介護:居宅介護支援事業者のケアマネ)

👉 申請の手順を「5ステップ」で噛み砕いた記事はこちら(内部リンク):
介護保険の申請から利用までの流れを5ステップで解説


【条件分岐】40〜64歳は“誰でも申請できる”わけじゃない

40〜64歳(第2号被保険者)は、特定疾病が原因で要介護(要支援)状態になった場合に限って、介護保険の対象になります。
※この記事を家族向けに書くなら、この一文は必ず入れておくのがおすすめです。


【自治体差】ここは市町村で違いが出やすい

  • 窓口名(介護保険課/高齢福祉課/長寿支援課など)
  • 独自の支援(見守り、配食、ゴミ出し等の“市町村独自事業”)
  • 申請書の提出方法(郵送・オンライン可否など)

迷ったら、地域包括に「申請の前に何を揃えるべきか」も含めて聞くのが最短です。


【FAQ】よくある質問(制度的に安全な答え方)

Q1:親が拒否している場合、家族だけで申請できますか?

状況によりますが、本人が動けない等の場合は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業者等に“手続きの支援・代行”を依頼できることがあります。
ただし、認定調査の聞き取りは原則本人が対象なので、調査日程や当日の説明は工夫が必要です。まずは地域包括に相談が安全です。

Q2:認定が出ても、サービスを使わなくてもいい?

はい。 認定は「使える枠」が決まるだけで、利用は本人の選択です。

Q3:認定調査では何を話せばいい?

ポイントは「できること」より困っていることを具体的に
例:転倒が怖い/入浴が不安/服薬管理を忘れる/家事が維持できない等。

Q4:申請から通知までどれくらい?

目安は原則30日以内ですが、主治医意見書の作成状況などで前後します。窓口で目安を確認すると安心です。

Q5:非該当(自立)だったら何も使えない?

非該当でも、**介護予防・生活支援(総合事業など)**につながる可能性があります。地域包括に「非該当でも使える支援」を確認しましょう。


まとめ:焦らず、“安心の確保”から始めよう

親の「まだ早い」は、あなたを困らせたいわけではなく、不安やプライド、遠慮の表現であることが多いです。
大事なのは、介護保険を「介護の宣告」ではなく、**今の暮らしを続けるための“備え”**として伝えること。
そして、家族だけで背負わず、地域包括の専門家と一緒に進めることです。


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