「施設はお金がかかるから、うちには無理。自分がやるしかない。」 そう決めて、今日も親の介護を一人でこなしている方がいます。

夜中に起こされて、昼間もヘトヘトで、仕事も削って。それでも「私がやらなければ」と歯を食いしばって続けている。 この記事は、そういう方に読んでほしいと思って書きました。

結論から言います。**年金だけで入れる老人ホームは、存在します。**そして、「在宅介護の方が安い」というのは、多くの場合、思い込みです。 栃木県で現役の介護福祉士として働いてきた私が、制度の実態をお伝えします。諦める前に、5分だけ読んでみてください。

「年金が少ないから施設は無理」──その思い込みで、あなたは追い詰められている

ネットで調べたら「老人ホームは月20万円以上」って出てきて…うちの親の年金じゃ絶対無理だって思って、最初から諦めてたんだよね。

パティ―

その気持ち、よくわかります。私もご家族からそのお話を何度も聞いてきました。 でも正直に言わせてください。「ネットで見た平均費用」で諦めているとしたら、それは情報の見方が間違っている可能性があります。

「自分が倒れたら終わりだ」──限界を感じながら、なぜ人は動けないのか

在宅介護をされているご家族の多くが、ある種の「呪縛」の中にいます。

「施設に預けたら、親を捨てたことになる」 「お金がないんだから、自分がやるしかない」 「もう少し頑張れば、何とかなるかもしれない」

この言葉が頭の中でぐるぐると回り、限界でも動けなくなってしまう。でも、考えてみてください。あなた自身が倒れたとき、介護はどうなりますか?

介護者が入院した、うつになった、動けなくなった──そのとき、親のケアは突然ゼロになります。それは、在宅介護を続けることよりも、親にとってはるかに過酷な状況です。 「自分が倒れたら終わり」と薄々わかっていながら動けないのは、あなたが弱いからではありません。「お金がないから選択肢がない」と思い込んでいるからです。

「お金がないから施設は無理」と決めたのは、どこの情報を見て?

一度、思い出してみてください。「施設は無理」と判断したのは、どこの情報を根拠にしていますか?多くの場合、こういったものではないでしょうか。

  • ネットで検索して出てきた「月平均15〜30万円」という数字
  • テレビや雑誌で見た高齢者住宅の特集
  • 知人から聞いた「うちは月20万以上かかってる」という話

これらの情報は間違いではありません。ただし、それは「あなたの親の状況には当てはまらないかもしれない数字」です。

施設の費用は、親の所得・貯金額・要介護度によって大きく変わります。同じ「老人ホーム」でも、月5万円台で入れる施設と、月30万円かかる施設が存在するのです。

「年金だけで入れる施設」は存在する──介護福祉士として断言します

えっ、本当に年金だけで入れる施設なんてあるの?!どんな施設なの?うちの親でも使える?

パティ―

あります。現場の人間として、断言します。 特に、所得が少なく、貯金もそれほど多くない家庭ほど、国や自治体の補助が手厚くなる仕組みになっています。「お金がないから無理」ではなく、「お金がない人のための制度」が用意されているのです。

特養(特別養護老人ホーム)は、月の自己負担が年金内に収まることが多い

まず知っておいてほしいのが、特別養護老人ホーム(特養)です。 介護保険が適用される公的な施設で、民間の有料老人ホームと比べて費用が大幅に低く抑えられています。

入居後の月額費用の目安は以下のとおりです(※多床室・要介護3以上の場合)。

  • 介護サービス費(1割負担): 約2〜2.5万円
  • 食費: 約4〜5万円(※制度適用前)
  • 居住費: 約1〜2万円(※制度適用前)
  • 日常生活費: 約1万円
  • 合計: 約8〜10万円程度

ただし、これは「制度を何も使わない場合」の試算です。次の項目で紹介する制度を使うと、この金額がさらに大きく下がります。

最重要:「負担限度額認定制度」で食費・居住費が大幅に下がる

ここが最重要ポイントです。ぜひ覚えて帰ってください。 「負担限度額認定制度」とは、所得や預貯金が一定以下の方に対して、施設での食費・居住費の自己負担を大幅に引き下げてくれる公的な制度です。

この制度を使うと、所得・資産が少ない第1〜2段階の方では、食費と居住費の合計が月1万円台になるケースもあります。 結果として、月の総負担が5〜7万円程度に収まるケースが、実際の現場でも少なくありません。

年金が月6〜8万円の方でも、この制度を活用することで年金の範囲内で特養に入居できているご家族を、私は何人も見てきました。(※申請は市区町村の窓口で行います)

グループホームや民間施設にも低価格帯は存在する

「特養は待機が長くて…」という場合も、諦める必要はありません。 グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、地域によっては月10〜12万円台で入居できる施設もあります。

重要なのは、「老人ホーム=全部高い」という先入観を捨てて、「うちの親の状況と予算で入れる施設を探す」という視点に切り替えることです。

「在宅介護の方が安い」は本当か?──見えないお金を全部計算してみた

でも施設に入れるより、家で介護した方が絶対安くつくよね…?施設費用を払う余裕なんてないし。

パティ―

これは非常によくある誤解です。そして、この誤解が多くのご家族を限界まで追い詰めていると、私は強く感じています。 「在宅介護=安い」は、見えているコストだけを見たときの話です。

おむつ代・介護食・光熱費……月にいくら使っているか把握していますか?

在宅介護では、以下のような費用が毎月発生しています。

  • 紙おむつ・パッド: 5,000〜15,000円
  • とろみ剤・介護食品: 3,000〜10,000円
  • 日中の光熱費増加: 3,000〜8,000円
  • 移送費(タクシーやガソリン代): 数千円〜

これだけでも月に1.5〜4万円以上が飛んでいきます。さらに介護保険サービスの自己負担(1〜3割)もかかります。 「在宅の方が安い」と感じているとしたら、これらの費用を日常の生活費として当たり前に出してしまい、介護費用としてカウントしていないからかもしれません。

「介護離職」が家計に与えるダメージは、施設費用の比ではない

もう一つ、絶対に計算に入れてほしいのが「収入の減少」です。 「仕事を辞めて介護に専念している」「フルタイムから時短にした」という方はいませんか?

例えば、年収300万円の仕事を辞めて在宅介護に専念した場合、5年間で1,500万円の収入減になります。 施設に入れた場合の費用(仮に月7万円×12ヶ月=年84万円)と比較すると、5年で420万円。収入減の1,500万円と比べれば、施設費用の方がはるかに小さい数字なのです。

「在宅介護のコスト」には、あなたの健康・精神・時間・将来のキャリアというコストが含まれています。これを計算に入れると、施設入居という選択肢は、むしろ「家計と家族全体を守るための合理的な判断」になります。

ネットの「平均費用」を見て諦めるのは、一番もったいない

じゃあ、どうやって「うちの親が入れる施設」を探せばいいの?ネットで調べても高い施設ばっかり出てきてよくわからなくて…。

パティ―

ここが、多くの方がつまずくポイントです。そして、つまずいたまま「やっぱり無理だ」と諦めてしまうのが、一番もったいないパターンです。

正しい問いは「うちの親の年金〇〇万円で入れる施設はありますか?」

ネットの「月15〜30万円」という一般的な情報を見て、個別の判断をしようとするから「無理だ」という結論になってしまいます。

正しいアプローチはシンプルです。 「うちの親の年金は月〇〇万円ですが、この予算で入れる施設はありますか?」とプロに直接聞く。 これだけです。

施設探しの専門家に予算と状況を伝えれば、その条件に合う施設を絞り込んで提案してもらえます。一人でネットを検索して「高い」と諦めるより、何十倍も確実で早い方法です。

栃木で「予算内の施設」を探すなら、一人で抱え込まないでほしい

栃木って施設が多いのか少ないのかよくわからないし、どこに何を聞けばいいのかも全然わからなくて途方に暮れてる…。

パティ―

栃木県は、県北から県南まで広大なエリアに施設が点在しています。宇都宮市内だけでも数多くの施設がありますが、地域によって空き状況や費用感は全く異なります。

一人でリサーチすると時間と体力が尽きる

一つひとつの施設に電話をかけて空き状況を確認し、見学を申し込み、費用の詳細を確認する──これを今の介護をしながらやろうとすると、時間も体力も尽き果ててしまいます。

だからこそ、無料の相談窓口を頼ってください。 「親の年金は月〇〇万円です」「自宅から車で30分以内で探してほしい」と伝えるだけで、条件に合った施設のパンフレットを取り寄せてくれます。

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まず「パンフレットを集めるだけ」でいい──入居の決断は、その後でいい

【💬吹き出し(パティー)】 でも、施設を探し始めるって、もう入居を決めなきゃいけないってこと…?なんか、それがすごく怖くて踏み出せなくて。

違います。パンフレットを集めることは、入居を決めることではありません。 これは本当に大事なことなので、はっきり言わせてください。

情報収集は「親への裏切り」じゃない

「施設を調べ始めたら、親に内緒で裏切っているみたいで後ろめたい」と感じる方もいます。 でも、考えてみてください。万が一のために保険を調べることは、裏切りですか?

今すぐ使うかどうかわからないけれど、「もしものとき」のために情報だけ持っておく。それは、家族として当然の備えです。 「うちの親でも入れる施設があるんだ」とわかるだけで、介護を続けるときの心の余裕がまったく違ってきます。

最初の一歩は、驚くほどシンプルです。 「親の年金の大まかな金額」と「探したいエリア」を、無料相談窓口に伝えてパンフレットを請求するだけ。入居の意思も、今は決めなくていいのです。

まとめ:諦めたのは、本当の情報を見る前だったかもしれない

この記事でお伝えしたことをまとめます。

  • 「年金だけで入れる施設」は実在する(特養+負担限度額認定制度などで月5〜7万円程度に収まるケースも)
  • 「在宅介護=安い」は思い込み(隠れた出費や、介護離職による収入減の方がダメージが大きい)
  • ネットの平均額で判断するのはNG(親の予算に合わせた個別の試算をプロに依頼するのが一番正確)
  • まずは「パンフレットを集めるだけ」でいい(情報を集めることは、家族を守るための賢い備え)

「お金がないから無理」と決めたのは、まだ本当の情報を見る前だったかもしれません。制度を知れば、選択肢は必ずあります。

一人で抱え込まず、まずプロに「うちの親の予算で入れる施設はありますか?」と聞いてみてください。あなたが倒れてしまう前に、一緒に出口を探しましょう。

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この記事を書いた人: 栃木県在住の現役介護福祉士。地域の介護相談・施設選びに長年携わってきた経験をもとに、「栃木福祉ナビ」にて情報を発信中。