地域包括支援センター・市役所・ケアマネの違い【栃木版】

「親の物忘れが増えてきた気がする」
「最近、家事がうまくできていないみたい…」

親の介護が気になり始めたとき、多くの家族が最初に感じるのは、
**「どうしたらいいかわからない」**という不安です。

そして、ほぼ必ず出てくる疑問がこれです。

介護の相談って、最初にどこへ行けばいいの？

市役所？
病院？
ケアマネジャー？

この記事では、
介護が始まったばかりのご家族に向けて、
介護の相談先の違いとスムーズな相談の進め方を、
できるだけやさしく、栃木県の事情も踏まえて解説します。

介護の相談、最初に行きやすい場所はどこ？

結論からお伝えします。

介護の相談先は複数ありますが、
**「まだ介護が必要か分からない段階」**であれば、

地域包括支援センターが、最初の相談先として特に利用しやすい窓口です。

介護が必要かどうか、まだはっきりしていなくても、

  • ちょっと不安
  • 話を聞いてほしい
  • 何から始めればいいか知りたい

といった段階で、無料で相談できる窓口です。

※制度上「必ずここに行かなければならない」という決まりはありませんが、
状況整理や方向性の相談には向いている窓口とされています。

結論｜介護の最初の相談先として使いやすいのが地域包括支援センター

地域包括支援センターは、
高齢者本人と、その家族を支えるための 総合相談窓口 です。

介護保険制度に基づき、
栃木県内のすべての市町に設置されています
（※自治体によっては名称や運営形態が少し異なる場合があります）。

原則として、
お住まいの地域を担当するセンターが窓口になります。

地域包括支援センターで相談できる内容

相談できる内容はとても幅広く、たとえば次のようなことです。

  • 介護保険ってどんな制度？
  • 要介護認定を申請したほうがいい状態？
  • 家族だけで介護できるか不安
  • 今は困っていないけれど、将来が心配

こうした
**「まだ何も決まっていない段階の悩み」**でも、
丁寧に話を聞いてもらえます。

地域包括支援センターとは？介護の無料相談窓口

地域包括支援センターには、
次のような専門職がチームで配置されています。

  • 社会福祉士（制度・生活・家族相談の専門家）
  • 保健師・看護師（健康面・認知症の相談など）
  • 主任ケアマネジャー（介護全体の調整役）

それぞれの専門分野から話を聞いてもらえるため、
「何から始めればいいかわからない」人ほど向いている窓口です。

介護が必要かわからなくても相談していい理由

「まだ介護ってほどじゃないし…」
と遠慮する必要はありません。

むしろ、
早めに相談しておくことで、選択肢が増えるケースも多くあります。

★現場経験者のコメント

実際にあったケースです。
娘さんが「母の物忘れや、話がかみ合わない場面が増えた」と感じていました。
しかしお母さんは元看護師で、「私は大丈夫」と受診を拒んでいたそうです。

娘さんが地域包括支援センターに相談したところ、
職員の方が地域の見守りという形で何度か関わり、
その中で自然な流れで医療受診につなげることができました。

市役所は何をする場所？地域包括との役割の違い

市役所（市町村の介護保険担当窓口）も、
介護に関わる大切な相談先です。

市役所で行う主な介護保険の手続き

  • 要介護・要支援認定の申請
  • 介護保険証の交付
  • 各種申請書類の受付・確認

つまり、市役所は
**「制度上の手続きを行う中心的な窓口」**という位置づけです。

相談だけなら地域包括が向いている理由

市役所でも相談は可能ですが、

  • 状況がまだ整理できていない
  • 何を申請すべきか分からない

という段階では、
包括的に話を聞いてもらえる地域包括支援センターのほうが安心なことが多いです。

そのため、

  • まず状況を整理したい → 地域包括支援センター
  • 認定申請を進めたい → 市役所（介護保険担当）

という流れが、結果的にスムーズになることが多いです。

※自治体によっては、地域包括支援センターが申請手続きのサポートや代行を行う場合もあります。

ケアマネジャーに相談するのはいつから？

ケアマネジャー（介護支援専門員）は、
介護サービスを利用する段階で中心的に関わる専門職です。

ケアマネジャーの主な役割

  • 利用する介護サービスの検討
  • サービス内容・回数の調整
  • ケアプラン（介護計画）の作成

原則として、
要介護（要支援）認定を受けた後に本格的に関わるケースが多くなります。

介護認定前にケアマネに相談できるケースもある？

制度上は認定後が基本ですが、

  • 地域包括支援センターを通して紹介される
  • 事前相談として話を聞いてもらう

といったケースもあります。

「最初からケアマネに直接連絡しなきゃいけない」
というわけではないので、
まずは地域包括支援センターで相談するのがおすすめです。

★現場経験者のコメント

突然「介護が必要です」と言われると、
多くの家族が何をすればいいのかわからなくなります。

ケアマネジャーは、
本人と家族の両方の視点に立ち、
今、本当に必要な支援を一緒に考えてくれる存在です。

迷ったらこの順番｜介護相談の進め方

介護の相談先は、次の流れで覚えておくと安心です。

  1. 地域包括支援センター
    　→ 最初の相談・不安や状況の整理
  2. 市役所（介護保険担当）
    　→ 要介護認定などの制度手続き
  3. ケアマネジャー
    　→ 介護サービス開始後の調整・計画作成

※状況によって、医療機関への受診を勧められることもあります。

栃木県で介護相談をするときのポイント

栃木県内では、
「〇〇市 地域包括支援センター」で検索すると、
各自治体の公式ページが見つかることがほとんどです。

  • 電話相談
  • 来所相談
  • 状況によっては自宅訪問

にも対応しています。

相談は 無料 なので、
「こんなことで相談していいのかな？」と悩まず、
気軽に連絡してみてください。

まとめ｜介護の相談は一人で悩まなくていい

介護の始まりは、誰でも不安になります。
でも、最初からすべてを理解する必要はありません。

「少し話を聞いてほしい」
その気持ちだけで、地域包括支援センターに相談して大丈夫です。

相談することで、

  • 今の状況が整理できる
  • 次に何をすればいいか見えてくる
  • 家族の気持ちが少し楽になる

そんな 最初の一歩 につながります。

次に知っておきたい｜介護サービスの種類と選び方

相談先がわかったら、
次に気になるのは
**「どんな介護サービスがあるのか」「どう選べばいいのか」**ですよね。

▶︎ 介護サービスの種類と選び方については、
別の記事で、初心者向けに詳しく解説しています。
https://tochi-fukushi.com/care-service-guide/