冬のヒートショック対策|入浴事故を防ぐ 「室温18℃・湯温41℃」の基本と相談先
✅30秒でわかる要約(先にここだけでOK)
- 冬の入浴事故は「急な温度差+熱いお湯+長風呂」が重なると起きやすい
- 厚労省の人口動態統計(令和5年)では、65歳以上の浴槽内の不慮の溺死・溺水が6,541人で、交通事故死(2,116人)の約3倍
- ※別の注意喚起では令和6年の数値も示されており、年によって変動します(最新は公的発表で確認)
- 対策の柱は ①脱衣所・浴室を先に暖める ②湯温41℃以下・10分以内(目安) ③ゆっくり動く ④入浴前後の声かけ
- 室温は「まず18℃未満の部屋を放置しない」が現実的な第一歩(寒いほど“熱め入浴”が増えやすい)
- 住宅改修(手すり等)は、介護保険で上限20万円の支給(原則、工事前申請)
1分で相談先を決めるなら
- 今すぐ危ない(意識がない・呼吸がおかしい等)→ 119(迷ったら救急優先)
- 介護の相談の入口(状況整理)→ 地域包括支援センター
- 申請・書類・手続き中心 → 市役所(介護保険担当)
- 認定後〜サービス調整 → ケアマネ(※自治体や状況で前後あり)
あわせて読む(迷わない相談ルート)
👉介護の相談、最初はどこ?地域包括・市役所・ケアマネの違いと順番
冬の介護で特に気をつけたいのが**ヒートショック(急な温度差などで血圧が大きく変動すること)**です。
暖かい部屋→寒い脱衣所→熱い湯船…のように「温度差」が重なると、立ちくらみ・失神などが起き、浴槽内での事故につながることがあります。
怖いのは、持病があってもなくても起こり得る点です。この記事は「家庭でできる予防の基本」をまとめたもので、持病がある方・不安が強い方は、入浴条件(湯温・時間など)を主治医に確認するのが安全です。
ヒートショックが起きやすい人・起きやすい日
リスクが上がりやすい人(目安)
- 65歳以上
- 高血圧、心疾患、脳血管疾患、糖尿病などの持病がある
- 断熱性が低く、脱衣所・浴室が冷えやすい家
- ふだんから熱いお湯・長湯が好き
※持病がある場合は、入浴条件(湯温・時間・頻度)を主治医に確認するのが安全です。
今日は「入浴を避ける/短くする」日
消費者庁の注意喚起でも、事故リスクが上がる行動として挙げられています。
- 飲酒後
- 食後すぐ
- 睡眠薬・精神安定剤など服用後
- 体調不良(発熱、ふらつき、脱水っぽい等)
【室温管理】まずは“温度差”を小さくする
ヒートショック対策の本丸は、家の中の「寒い場所」を減らすこと。特に脱衣所・浴室・トイレが冷えがちです。
目安:18℃未満を作らない+“体感で寒くない”脱衣所へ
消費者庁の資料では、居間や脱衣所が18℃未満の住宅だと「熱め入浴(42℃以上)」が増えるという調査にも触れられています(=結果的に事故リスク側へ寄りやすい)。
「完璧に暖房!」よりも、まずは “18℃を下回る部屋を放置しない” を目標にすると現実的です。
※なお「温度差5℃以内」「脱衣所20℃前後」といった数値は“目安”として紹介されることが多いです(家の性能や体調で調整)。
脱衣所・浴室を暖める手順(今日からできる)
- 入浴10分前:脱衣所の小型ヒーターをON(可能なら人感センサー付き)
- 浴室:お湯張り中にシャワーを浴槽へ(湯気で浴室が暖まりやすい)
- 温度計:脱衣所に置いて「見える化」(本人の感覚は当てにならないことがあります)
安全メモ(重要)
脱衣所の暖房器具は、転倒・衣類接触・火傷・水濡れに注意。消費者庁PDFでも注意喚起があります。
【入浴】安全ルールはこの4つでOK
消費者庁・政府広報でも共通している「事故を減らす基本」です。
1) 湯温は41℃以下/湯船は10分まで
熱いお湯・長湯は、血圧変動や意識障害のきっかけになりやすいです。
2) いきなり湯船にドボンしない
かけ湯→ゆっくり入る(最初は半身浴寄り)で、体の負担を減らします。
3) 浴槽から急に立ち上がらない
立ち上がりは手すり・浴槽の縁を使ってゆっくり。
4) 入浴前後の水分+“声かけ”をセットにする
- 入浴前後にコップ1杯程度の水分
- 入浴前に「入るよ」、入浴中は長引いたら声かけ
同居者がいるなら、これだけで事故の発見が早まります。
介助が必要な場合のコツ(家族側の事故予防も)
- 浴室の床は滑りやすい:滑り止めマット+手すり(後述の制度対象になりやすい)
- 浴室ドアは施錠しない(万一の時に開けられるように)
- タイマーを使う:10分で一度声かけ
- 可能なら「家での入浴頻度を下げる」選択もアリ
- デイサービス等で入浴できるケースも多い(介護負担の軽減にも)
もし入浴中に異変があったら(迷ったときの行動)
- 反応がない/意識がもうろう/呼吸がおかしい:すぐ119
- 浴槽内で倒れている場合、無理に抱え上げて転倒…が起きやすいので、まずは安全確保(湯栓・給湯停止/周囲の整理)→助けを呼ぶ
- 同居者がいる前提で、普段から「入浴の声かけ」をルール化しておくのが大切です
※救急対応は状況で変わるので、「迷ったら119」でOKです。
公的支援で“家の危険ポイント”を減らす(介護保険+自治体)
1) 介護保険の住宅改修(まずはここ)
要支援・要介護認定がある場合、手すり設置/段差解消/滑り防止の床材変更などが対象で、支給限度基準額は20万円(自己負担1〜3割)。原則、工事前の申請・事前確認が必要です。
浴室の「手すり」「滑り止め」「段差」あたりは、ヒートショック“そのもの”の対策というより、転倒・溺水の連鎖を止める意味で優先度が高いです。
2) 自治体独自の助成(栃木県内でも差あり)
自治体によっては、介護保険とは別枠で住環境整備の助成があることがあります。たとえば宇都宮市には、条件を満たす世帯向けに住環境整備の補助制度があります(※所得等の要件あり/工事前相談が必要)。 宇都宮市公式サイト
また、宇都宮市には一般の住宅改修補助金(年度事業)もあります。 宇都宮市公式サイト
【重要】 助成は「年度・予算・要件・対象工事」が毎年変わりやすく、工事前申請が必須なことがほとんどです。必ず市役所(介護保険担当・高齢福祉担当)やケアマネに先に確認しましょう。
【追記】例外:今すぐ包括じゃないケース(安全運用)
※ここは「相談の順番」よりも、安全確保が優先です。
急変・転倒・意識障害など「今すぐ危険」
反応が弱い/呼吸がおかしい/浴槽で動かない等は、まず119。迷うときも救急優先でOKです。
徘徊・虐待の疑い・家族だけで安全が保てない
切迫しているときは、地域包括だけにこだわらず、自治体の高齢福祉窓口や警察など、状況に応じた緊急連絡先へ。
夜間・休日で窓口が閉まっている
自治体の**時間外窓口(代表電話)**や、救急の相談窓口(地域の案内)を使って「今できる手当」と「翌日の相談先」を切り分けましょう。
あわせて読む(相談後の流れ)
👉介護の相談をしたら次に何が起こる?要介護認定・支援担当決定までの流れを家族向けに解説【栃木版】
一次情報(公的情報)にすぐ飛べるリンク
- 政府広報オンライン:冬の入浴中の事故に要注意(令和5年データ) 政府オンライン
- 消費者庁:冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に注意 内閣府
- 宇都宮市:居宅介護(予防)住宅改修費支給申請(介護保険) 宇都宮市公式サイト
- 栃木市:住宅改修費の支給(介護保険) city.tochigi.lg.jp
よくある質問(FAQ)5項目
Q1. ヒートショックは高齢者だけの問題ですか?
高齢者で多いとされますが、体調不良・飲酒後・強い温度差があると年代を問わずリスクは上がります。基本は「温度差を減らす」です。
Q2. 一番風呂はなぜ危険と言われますか?
浴室・脱衣所が冷え切っていて、温度差が最大になりやすいからです。入浴前に暖めるだけでもリスクを下げられます。
Q3. 浴室暖房がない場合、どう暖めればいい?
脱衣所は小型ヒーター等で先に暖め、浴室はお湯張り中のシャワーや湯気を回す工夫で温度差を小さくします(安全に配慮して実施)。
Q4. 介護保険の住宅改修で浴室暖房機は付けられますか?
介護保険の住宅改修は、原則「手すり・段差・滑り防止」などが中心です。可否や運用は自治体でも差があるため、工事前に市町村・ケアマネへ確認が安全です。
Q5. 本人が「寒くない」と言うのに対策は必要?
高齢になると温度の感じ方が変わることがあります。感覚だけに頼らず、温度計で確認しつつ「脱衣所を先に暖める」をルール化するのが安心です。
あわせて読む(ケアマネの見つけ方)
👉ケアマネの選び方【居宅向け】1分で決める探し方と“合う人”の見極め方(栃木版)
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