地域包括支援センターに電話する前の準備:何を聞かれる?何を伝える?栃木の相談先も
初めての電話でも大丈夫!地域包括支援センターは 「高齢者のよろず相談所」
親の介護や生活に不安を感じたとき、まず頼れる窓口が地域包括支援センターです。地域包括支援センターは、市区町村が設置(または委託)し、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員(主任ケアマネ)等の専門職が配置されています。
役割は、高齢者や家族からの相談を受け、状況を整理し、必要な支援や制度につなげること。まさに、**「高齢者のよろず相談所」**です。
「まだ介護保険の申請もしていない」「どこまで相談できるか分からない」段階でも大丈夫。まずは、誰に、いつから、どんなことで困っているか”**を伝えるところから始めましょう。
電話する前に、相談先の順番を30秒で確認したい人はこちら
👉介護の相談、最初はどこ?地域包括・市役所・ケアマネの違いと順番
✅ 30秒でわかる要約
- 地域包括に電話するときは、「一番困っていること」1つを先に伝えると話が早い
- 準備するのは、本人情報(年齢・住所)と状況(いつから/どの程度)だけで十分
- 電話は 結論→背景→お願い の順に話す
- 「今夜が危ない/介護者が限界」など 緊急性は最初に言う
- 今日やること:①メモ作成 → ②電話 → ③次の動き(面談/申請/サービス案内)を確認
✅ 今日やることチェック(5分でOK)
- □ 本人:氏名・年齢・住所(地区が分かれば尚よし)
- □ 介護者:同居/別居、主な介護者は誰か
- □ 困りごとトップ1(例:夜の転倒、排泄、介護者の限界)
- □ いつから/頻度(例:2週間前から毎晩)
- □ 本人の状態:歩行、入浴、トイレ、食事、物忘れ(当てはまるものだけ)
- □ 既往/通院先(分かれば)
- □ 緊急性:今日中に対応が必要か(はい/いいえ)
センターの主な役割(厚労省の整理に沿ったイメージ)
地域包括支援センターは、主に次のような包括的支援を担います。
| 事業名 | 役割の概要 |
|---|---|
| 総合相談支援 | 高齢者や家族の幅広い相談を受け、必要な支援につなげる |
| 権利擁護 | 高齢者虐待の防止・対応、成年後見制度の活用支援など |
| 包括的・継続的ケアマネジメント支援 | 地域のケアマネを支援し、支援体制の質を高める |
| 介護予防ケアマネジメント | 要支援の方等の介護予防支援(必要に応じたケアの調整) |
電話でよく聞かれる「基本の5項目」と事前準備リスト
電話相談をスムーズにするために、まずは以下の「基本の5項目」をメモしておくのがおすすめです。職員は、これらの情報から緊急度や支援の方向性を判断します。
1. 相談者(あなた)の情報
- 氏名
- 連絡先(電話番号)
- 本人(親など)との関係(例:長男、配偶者、同居家族 など)
※匿名での相談も内容によって可能ですが、具体的な支援を進める段階では連絡先が必要になることが多いです(後述)。
2. 対象者(親など)の情報
- 氏名(わかる範囲で)
- 住所(担当のセンターか確認するために重要)
- 生年月日/年齢(だいたいでもOK)
- 同居か一人暮らしか、日中独居か など
3. 現在の状況:何に困っているか(最重要)
ここが一番大事です。ポイントは「ふわっと」よりも 具体的に。
具体的に伝えるコツ(超重要)
「最近、物忘れがひどい」よりも、次のように伝えると状況が伝わりやすいです。
- いつ:夕食後
- どこで:自宅の台所で
- どれくらい:週に3回
- 何が起きる:食べたことを忘れて「ご飯はまだ?」と言う
✅ 例
「夕食後に、さっき食べたことを忘れて“ご飯はまだ?”と訴えることが週3回あります」
メモしておくと安心な困りごと例:
- 転倒が増えた/歩行が不安定
- 食事を作れない・食べない
- 服薬管理ができない
- 金銭管理が不安(同じ物を何度も買う 等)
- 物忘れ・被害妄想・夜間の徘徊が心配
4. 介護保険の利用状況
- 要介護・要支援の認定があるか(あるなら区分)
- 未申請か/過去に申請したことがあるかまだ申請していない場合は、
- 申請の流れを先に見ておくと電話が早いです👉介護保険の申請から利用までの流れを5ステップで解説【初心者向け】
- いま使っているサービスがあるか(デイ、訪問介護、福祉用具など)
※分からなければ「分からない」でOK。わかる範囲で大丈夫です。
5. 緊急性の確認(命・安全に関わるか)
今すぐ助けが必要な状態かを正直に伝えましょう。
- 今日も食事が取れていない
- 脱水や意識がぼんやりしている
- 何度も転倒している
- 火の不始末がある
- 暴力・虐待が疑われる など
大事な注意
地域包括支援センターは、緊急時に状況整理をして関係先(市町村担当課・医療機関・救急・虐待対応窓口など)につなぐ役割を担います。
ただし、生命の危険がある/今まさに危ない場合は、包括より先に 119(救急)や医療機関が優先です。
👉ショートステイとは?使うタイミング・料金・注意点を家族向けに解説【栃木版】
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また、「訪問調査(認定調査)」は要介護認定の手続きに関わるため、緊急=すぐ調査が入るとは限りません。必要な場合は、申請や手続きの段取りを案内してもらえます。
追加でメモしておくと安心な情報(任意)
| 項目 | 準備しておくと良い情報 |
|---|---|
| 病歴・服薬 | 既往歴(ざっくりでOK)、服用中の薬(お薬手帳が最強) |
| かかりつけ医 | 病院名(分かれば) |
| 家族の意向 | できれば自宅継続/施設も検討/まず安全確保したい など |
【注意点】自治体やセンターで少し違うところ(個別差)
担当エリアの考え方
原則として、本人の住所地(お住まいの圏域)を担当する地域包括支援センターが窓口になります。自治体が担当圏域を設定しているため、**市区町村サイトの「地域包括支援センター一覧」**で確認するのが確実です。
相談方法は「電話→必要なら来所・訪問」が多い
電話は初期受付として使われることが多く、緊急でなければ次のように進むことがあります。
- 後日、センターへ来所
- 必要に応じて訪問相談
- 市町村担当課やケアマネ等へ連携
※開所時間や体制(直営/委託)は自治体で差が出ます。
電話でそのまま使える「型」(台本)
📞 まず最初に言う一言(結論)
家族の介護のことで相談したくてお電話しました。
いま一番困っているのは (困りごと:例 夜のトイレで転びそう) です。
📞 次に背景(状況)
本人は (年齢)、 (住所/地区) に住んでいます。
(いつから:例 2週間前から)、 (頻度:例 ほぼ毎日) 起きています。
介護しているのは (私/同居の家族) です。
📞 最後にお願い(ゴール)
まず何から始めればいいか、手順を教えてください。
必要なら、担当の方と 面談(または電話相談) をお願いできますか?
匿名での相談はできる?
内容によっては可能です。特に、近隣の高齢者の異変や虐待が疑われるなど、権利擁護に関する相談・通報は、匿名で受け付ける自治体が多く、相談者が特定されないよう配慮されます。
一方で、あなたやご家族の介護について、訪問や手続き支援など具体的な支援を動かす場合は、本人特定情報(氏名・住所)や連絡先が必要になることが多いです。
迷う場合は、最初に「匿名で相談できますか?」と聞いてOKです。
専門職の役割(目安)と、誰が出ても大丈夫な理由
地域包括支援センターには、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員等が配置されています。
- 保健師:健康面・生活機能低下・受診や体調面の整理が得意
- 社会福祉士:制度・生活課題・権利擁護(虐待/後見等)に強い
- 主任ケアマネ:介護サービス全般・ケアマネ支援・地域連携に強い
電話は、受付担当が聞き取りをして、必要に応じて専門職につなぐこともあります。
だからこそ、誰が出ても「困っていること」を正直に話せば大丈夫です。
よくある失敗(3つ)+回避策
- 全部説明しようとして話が散らかる
→ 最初は「困りごとトップ1」だけ。追加は質問されたらでOK。 - 緊急性を最後まで言わない
→ 「今日危ない」「今夜が限界」は最初に言う。対応が変わる。 - 電話したのに次の行動が決まらない
→ その場で「次に何をすればいいですか?」を必ず確認してメモする。
FAQ
Q1. 電話でうまく話せない…何から言えばいい?
A. 「困りごと1つ→いつから→お願い」の順でOK。台本を読み上げて大丈夫です。
Q2. 本人が嫌がっていても相談していい?
A. 相談は家族だけでもOK。まずは状況整理と安全確保の相談から始められます。
Q3. 認定(要介護認定)って電話の段階で決めないとダメ?
A. その場で決めなくてOK。必要性とタイミングを地域包括や市役所に相談しながら決められます。
Q4. どの情報が分からなくても電話していい?
A. OKです。年齢・住所・困りごとが1つ言えれば十分。分からない点は「確認して折り返す」で問題ありません。
Q5. 今夜が危ないときは地域包括だけで大丈夫?
A. 緊急性が高い場合は医療・救急の判断を優先。地域包括には「緊急」であることを最初に伝えてください。
まとめ:一歩踏み出すことが、安心への第一歩
地域包括支援センターへの電話は、介護や生活の不安を解消するための「最初の一歩」です。
事前に 基本の5項目をメモしておき、うまく話そうとせず、
**「困っていること/いつから/どのくらい」をそのまま伝えるだけでOK。
不安を抱え込まず、まずは相談してみましょう。
※この記事は「電話の準備」を目的にしたチェックリストです。状況によって案内が変わるため、迷った場合は地域包括支援センターに相談してください(緊急性が高い場合は医療・救急の判断を優先)
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信頼できる情報を確認するために(一次情報へのリンク)
厚生労働省の公式資料
- 地域包括支援センターの業務(PDF|厚生労働省)
概要:センターの目的、配置職種、4つの包括的支援事業(総合相談・権利擁護・包括的継続支援・介護予防ケアマネ)を確認できます。
栃木県内のセンター一覧(県公式)
- 地域包括支援センター一覧(栃木県公式ページ)
- 栃木県内地域包括支援センター一覧(PDF|令和7年5月1日現在)
概要:市町別・センター名・住所・電話番号などがまとまっています。
全国共通の公式検索(厚労省)
- 施設検索(地域包括支援センター検索)|厚生労働省
概要:都道府県や市区町村から絞って、地域包括支援センターを検索できます。
- 厚生労働省:地域包括支援センターについて(概要・役割・配置職種)
- お住まいの市区町村:地域包括支援センター一覧(担当圏域・連絡先・時間)